技術ニュース

(2022.06.29)  カセット型のメリット・デメリットについて

金型の初期費用を削減するために良く使われるのが、アルミ型カセット型と呼ばれるものです。

今回はカセット型についてですが、金型のベースと言われる外枠の部分を共用して使用するため、ベース部分のコストを浮かすことが出来ます。

これは金型が大きくなればなるほどベース部分のコストは上がっていくため、費用対効果が出てきます。

こうなると『凄くメリットがありそう!』、『全ての金型をこれにすれば!』となってしまいますが、そこにはデメリットも存在します。

まず1つ目にベース部分を共有化する事で、製品部分にあたるキャビ・コアのコマ部分、突き出し構造、スライドの大きさ・個数・引き幅、ゲート形状等に制限がかかってしまいます。

製品形状によって制限がかかってしまう事で、型として成り立たなかったり、成形性が悪くなり成形工賃が上がり結果トータルコストで高いものになってしまう場合もあります。

2つ目はベース部分を共用とすることで、1つの製品を生産した後、違う製品を生産するには、金型をバラシて組み替えていくのでそこの費用と時間が発生してしまいます。

またベース部分が共用のため、2つの製品を同時に生産する事が出来なくなります。なので生産計画を早めに立てて動く必要があります。

最後にベース部分を持っている会社が撤退、倒産、廃業、解散、コスト、などの問題で生産できなくなった場合、返却される(所有権のある)金型はベース部を抜かした部品になるため返却されてもそのままでは生産できずにもう一度ベース部分を再制作しなければなりません。その場合の手間が意外とかかります。例えば、金型図面が存在しない、金型図面通りに加工されているかのチェックが必要(全部品測定)、現状の返却された金型部品に合わせてのベース部分の設計・加工、とやらなければいけない事が多すぎて、形状によっては金型を最初から作り直した方が早くて、安い場合さえ出てきます。

実際にカセット型で作ったが様々な理由から移管したいというご相談がかなり増えております。

 

弊社では製品形状に合ったメリット・デメリットをお伝えさせていただき、カセット型にする場合のリスクをなるべく少なく出来る様なご提案をしております。

初期費用を抑えたいカセット型で生産していたが移管したいなど、カセット型の事はロッキー化成にお気軽にご相談ください。

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